研究課題/領域番号 |
19659077
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 英二郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (90293878)
|
研究分担者 |
湊 長博 京都大学, 医学研究科, 教授 (40137716)
服部 雅一 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40211479)
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 講師 (20324642)
吉村 耕治 京都大学, 医学研究科, 助教 (40397542)
宗田 武 京都大学, 医学研究科, 助教 (50422928)
|
研究期間 (年度) |
2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
|
キーワード | small G protein / 前立腺癌 / 癌転移 / SPA-1 |
研究概要 |
small G蛋白質Rap1を負に調節するGAP蛋白SPA-1は慢性骨髄性白血病や自己免疫性疾患の発病への関与が報告されている。Rap1の機能は明らかにされていない点も多いが、細胞の増殖や接着と密接に関わっていることが報告されており、癌転移において重要な役割を担うものと考えられる。我々はヒト前立腺癌の転移機序におけるSPA-1の関与について検討した。転移を認める前立腺癌32症例、および転移を認めない前立腺癌37症例の針生検標本においてSPA-1の発現を免疫組織学的染色で検討したところ、転移を認める前立腺癌において有意にSPA-1の発現の上昇を認めた。ヒト前立腺癌細胞株PC3及びLNCaPにおいてSPA-1の発現をWB法にて解析したところ、PC3細胞ではSPA-1が高発現しており、マウス精巣に移植後45日で所属リンパ節に転移を認めた。一方、SPA-1の発現を認めないLNCaP細胞は、同様の実験にて転移を来さなかった。SPA-1の発現を認めず転移能の低いLNCaP細胞にSPA-1を安定発現させた細胞株ではRap1の活性が低下し、invasion assayで浸潤能の亢進を、マウス精巣移植モデルで転移巣の増大を認めた。SPA-1を高発現している転移能の高いPC3細胞においてSPA-1遺伝子発現をRNA阻害した細胞株ではRap1の活性が亢進し、invasion assayで浸潤能の低下を、マウス精巣移植モデルで転移巣の縮小を認めた。さらに、PC3細胞にGAPによる制御を受けないconstitutive active formのRap1(RapV12)を安定発現させた細胞株での解析も行ったところ、invasion assayで浸潤能の低下を、マウス精巣移植モデルで転移巣の縮小を認めた。今回の検討からSPA-1/Rap1シグナルが前立腺癌の浸潤・転移に関与している可能性が示唆された。
|