研究課題/領域番号 |
19659100
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高橋 雅英 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40183446)
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研究分担者 |
村雲 芳樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40324438)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | CD109 / GPIアンカー型膜蛋白 / 口腔扁平上皮癌 / 細胞増殖 / TGFβシグナル / GPI-アンカー型細胞表面蛋白 / 筋上皮細胞 / 基底細胞 / 扁平上皮癌 / 基底細胞型乳癌 |
研究概要 |
CD109はGPIアンカー型細胞表面蛋白であり、食道、肺などの扁平上皮癌(SCC)において高発現していることを明らかにしてきた。本年度は口腔悪性腫瘍(前癌病変の疑いを含む)と診断された124症例の組織検体を用いて、CD109の発現と臨床像との相関を検討した。CD109は正常口腔粘膜では陰性である一方、carcinoma in situ (CIS)および高分化型SCCでは全例陽性であった。陽性率は中分化型SCCでは88.9%、低分化型SCCでは63.6%と分化度が低くなるにつれて低下した。また前癌病変と考えられるDysplasiaについて3年以内に癌化した群(Group A)と癌化しなかった群(Group B)に分類すると、Group Aにて有意に陽性率が高く、CD109の発現と前癌病変の悪性化と相関していることが示唆された。 口腔扁平上皮癌細胞にCD109を過剰発現させると、コントロール細胞に比べ、有意に増殖能が亢進し、逆にCD109の発現をノックダウンすると増殖能が低下した。この結果はCD109の発現が細胞増殖と相関していることを示している。近年他のグループにより、CD109がTGFβレセプターの複合体を形成していることが報告された。そこでCD109を過剰発現した細胞株におけるTGFβ/Smadシグナルの変化を解析した。その結果、CD109過剰発現細胞株ではTGFβ刺激に伴うSmad2のリン酸化が抑制されており、TGFβによる細胞増殖抑制効果も認められなかった。逆に、CD109ノックダウン細胞ではSmad2のリン酸化が増強した。よって、CD109はTGFβ/Smadシグナルを負に制御し、TGFβによる抗細胞増殖効果を抑制していると考えられた。
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