研究課題/領域番号 |
19659111
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
奥田 研爾 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40124862)
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研究分担者 |
武下 文彦 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (60333572)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 緑膿菌 / TLR5 / 鞭毛抗原 / ワクチン / アジュバント |
研究概要 |
フラジェリンは、緑膿菌など多くの細菌の鞭毛タンパクの重要な成分である。フラジェリンはToll like receptor 5(TLR5)を強く活性化し、多くの病原性微生物に対するワクチンのアジュバントとして重要であることが最近分かってきた。我々は、DNAワクチンを主とした緑膿菌ワクチンの検討を行ってきた。緑膿菌のA型(FliA)とB型(FliC)を対にするフラジェリンは、一般的に免疫すると、非常に抗原性が強く、従って、TLR5の活性化部位に対する抗体が出現し、この自然免疫のアジュバント効果も急速に減少することが判明した。そこで、我々は、FliCの90番目のアルギニン(R)をアラニン(A)に1塩基置換したFliC R90Aを作製し、これを免疫することによって、TLR5の活性化が持続的に行われるようになり、アジュバント効果も数十倍上昇することを見出した。しかも、このFliC R90AはD4株、19-106-1株、20-110-1株等の臨床分離株やPAO-1,PAK株等にも感染防御反応を強く発揮することが判明した。このように、フラジェリンの1塩基置換変異体はFliC、あるいはFliAを持つ緑膿菌に対しては、非常に強い防御効果が見られることが分かった。このような考え方は、今までほとんど報告されたことがなかった。我々の実験により、鞭毛を持つ細菌の自然免疫活性化部位を一塩基置換させることにより、自然免疫を中心とする感染防御能がさらに強く発揮できるワクチンが今後多く出現してくるものと思われる。これらの意味で、この自然免疫持続的活性化法の応用的価値は高いと思われる。
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