研究課題/領域番号 |
19659113
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 北里大学 (2008) (社)北里研究所 (2007) |
研究代表者 |
関谷 幸江 北里大学, 北里生命科学研究所, 研究員 (10414054)
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研究分担者 |
中村 正彦 北里大学, 薬学部, 准教授 (30155858)
村山 そう明 北里大学, 大学院・感染制御科学府, 講師 (60183654)
松井 英則 北里大学, 大学院・感染制御科学府, 講師 (30219373)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | Helicobacter heilmannii / 胃MALTリンパ腫 / PCR / 胃バイオプシー / マウス感染実験 / 純粋培養 / 組織化学 / 人獣共通感染症 / 胃MLATリンパ腫 |
研究概要 |
「研究の目的」1.胃腸疾患におけるH.pylori以外のHelicobacter属細菌の感染の実態調査(特に胃MALTリンパ腫の起因菌としての可能性について)。2.H.heilmanniiのマウス感染モデルを用いた病原性解析及び抗菌剤のスクリーニングの試み。3.特異プライマーを用いたPCR法により糞便から胃あるいは腸に感染しているHelicobacter属細菌の検出・同定法を構築。 「平成20年度研究実施計画および結果」1.生検材料採取並びに組織検査を行う(中村担当)。結果:倫理委員会の許可を得た後、薪たに3大学病院より胃検体を入手することができた。2.生検材料並びに研究協力医療機関から送られた組織険査標本からDNAを抽出し、PCR法にて菌の感染を検索する(関谷担当)。結果:MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫16検体のうちHHLO(Helicobacter heilmannii-like organism)陽性は、6検体であった(37.5%)。一方、MALTリンパ腫を除く上部消化管疾患554検体のうちHHLO陽性は、4検体であった(0.7%)。3.PCR産物の塩基配列を決定し、菌種を同定する(関谷、村山担当)。結果:MALTリンパ腫陽性6検体の内訳(H.heilmannii1,H.suis3,同定不能3)。その他の上部消化管疾患4検体の内訳(H.suis2,同定不能2)。4.生検材料をマウスに感染させ、感染マウスの組織検査により菌の病原性を解析する(関谷、松井、中村担当)。結果:烏肌胃炎検体より分離したH.Suis(NSTW101株と命名)をC57BL/6マウスに感染させたところ、感染2ヶ月後に胃病変を確認した。5.H.heilmannii感染マウスへ各種抗菌剤を投与し、有効な抗菌剤を検索する(関谷、松井担当)。結果:H.heilmannii TKY株を感染させたC57BL/6に各種抗菌剤を投与して除菌効果と胃病態の変化を調べた。H.pyloriの除菌に用いられている通常の薬剤の組み合わせ(ランソプラゾール、アモキシリン、クラリスロマイシン)では、完全に除菌を行うことができなかった。また、胃の病態は除菌の程度に応じて快復した。6.H.heilmanniiの純粋培養を試みる(関谷、松井担当)。結果:感染マウスの胃懸濁液からH.pylor抗体を結合させたナノ粒子を用いてH.heilmanniiを分離し、カンピロバクター用の培地に塗布し、混合ガス(10%CO_2,6%H_2,79%N_2)を充填させたデシケーター内で培養を試みた。37℃の孵卵器にデシケーターを2ヶ月設置後、微少のコロニーを認めた。そこでこのコロニーからDMAを調製し、PCRにより菌種の同定を行ったところ、H.heilmanniiであった。7.平成20年度までに検出したHelicobacter属細菌と胃腸疾患の因果関係について解析する(関谷担当)。結果:胃MALTリンパ腫とH.heilmannii感染の因果関係が証明された。
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