研究課題/領域番号 |
19659114
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉田 玲子 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 博士研究員 (80435966)
|
研究分担者 |
高田 礼人 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (10292062)
鈴木 定彦 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (90206540)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | ウイルス / 抗体 / 遺伝子治療 / ウィルス |
研究概要 |
ウイルス感染症やがんの有効な遺伝子治療法を開発するために、モノクローナル抗体を利用した標的細胞に効率よく目的遺伝子を導入できるターゲティングウイルス(標的指向性ウイルス)の作製を目指した。本研究ではインフルエンザ感染に対するターゲティングウイルスを作製することを目的に、インフルエンザウイルスHAに対するモノクローナル抗体のFab領域を発現するプラスミド、および膜融合タンパク質としてセンダイウイルスFタンパク質を発現するプラスミドを構築した。293T細胞にプラスミドを導入したところ、タンパク質の単独および共発現が確認できた。さらに、抗体と融合タンパク質を細胞に発現させ、G遺伝子をGFPに置換したVSVを感染させて、増殖したウイルスを回収した。作出したウイルス粒子の構造を電子顕微鏡で観察するとともに、抗体とFタンパク質のウイルス粒子内への取り込みを、SDS-PAGEとWestern blotで解析したところ、抗体タンパク質のウイルス粒子への取り込み効率が極めて低いことが判明した。また、ターゲティングウイルスとしての活性も認められなかった。そこで、抗体タンパク質のウイルス取り込み効率を上昇させるために、VSV-Gタンパク質およびFタンパク質が三量体であることから、抗体タンパク質を三量体で発現させることを試みた。抗体遺伝子の3'側にVSV-Gタンパク質またはFタンパク質の細胞外領域42アミノ酸を含む膜貫通領域と細胞内領域の遺伝子とを連結したプラスミドを構築して検討した。その結果、ウイルス粒子への抗体タンパク質単独発現での取り込み効率は上がったが、膜融合タンパク質と共発現させた細胞から得られたウイルスでは、取り込み効率が依然低かった。今後、ターゲティングウイルスを完成させるためには、ウイルス粒子に二種類のタンパク質を同時に取り込ませる条件の更なる検討が必要である。
|