研究課題/領域番号 |
19659127
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療社会学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
的場 梁次 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20107056)
|
研究分担者 |
黒木 尚長 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (30225289)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 診療関連死 / 医療関連死 / 医療事故 / 法医学 / 刑事法学 / 異状死体 |
研究概要 |
「診療行為に関連した死亡の死因究明等のあり方」につき最終案に近い第三次試案が2008年4月に出された。医療関連死第三者機関の設置へ向かい一歩前進したように思われたが、2009年3月時点では法制化も末定で不透明である。その要因の一つに、診療関連死における異状死の範囲と医師の刑事罰の問題がある。われわれは2008年4月に「医と法のセミナー関西フォーラム」にてシンポジウム「医療関違死第三機関検証システム」を前年9月に続き開催した。厚生労働省、医療経済学者、調整看護師、法医学者らによる講演をもとに立場を明確にして、あるべきシステムにつき真摯な討論を行った。2回のシンポジウム記録をA5版の194ページの書籍形式の報告書とて関係者に配布した。この第三次試案は医師が刑事罰となる条件を緩和しているが、なおも刑事罰の恐れがあると医師の反発も根強い。英米ではロモンローの性格上、医療行為により医師が刑事罰をうけることはまずないとされるが、日本と同様の法体系をもつドイツでは、業務上過失致死罪があり医師の刑事罰は充分ありうる。そこでドイツおよびスコットランド(UK)の解剖システム、医事紛争解決システムについて調査研究を行った。ドイツでは医療行為が原因で医師が刑事罰を受ける可能性はあるが、実際には極めて少ないことが判明した。スコットランドでは、基本的にはコモンローに守られているが、実際にはドイツ以上に刑事罰に問われており、イングランド(UK)でも同様であった。診療開連死の異状死体の届出に関しては、いずれの国も日本と比べはるかに厳格で、土葬後の死体が医療関連死を理由に解剖となることもまれでない。欧米諸国では法医解剖により死因決定ができるシステム(監察医制度、コロナー制度など)が日本よりもはるかに整っている。これらを踏まえたシステム作りが必要といえよう。
|