研究課題/領域番号 |
19659138
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小田切 優樹 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80120145)
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研究分担者 |
猪股 裕紀洋 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50193628)
丸山 徹 熊本大学, 薬学部, 教授 (90423657)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 血液浄化 / アルブミン変異体 / ビリルビン / アルブミン循環透析療法 / 一酸化窒素 |
研究概要 |
本研究は、安全かつ有効な生体肝臓移植を支援する目的で、毒素捕獲型アルブミン変異体を透祈液に用いた新しい血液浄化法である「アルブミン循環透析療法(ECAD)」の医学的有用性の向上を試みるものである。現在までに、肝不全時に蓄積し、疾病の進展に寄与しているアルブミン結合毒素であるビリルビンに対し、高い結合能を有する組換えアルブミンを作製するため、未だ明らかにされていないアルブミン分子上のビリルビン結合サイトの同定をファージディスプレイ法にて検討した結果、195位ならびに199位のLys残基が寄与していることを明らかにした。この知見は、ビリルビン捕獲型アルブミン変異体設計の基礎データとなるものと考えられる。また、病態時あるいは透析時などに発生し、治療の障害となる過剰な一酸化窒素(NO)や活性酸素を効率良く除去できる抗酸化あるいはNOトラップアルブミン変異体であるCys残基を付加したアルブミン変異体の作製に成功した。具体的には、410位にCys残基を付加したものやLys残基に化学的にCys残基を付加したものを構築し、in vitroにおいてNOトラップ能が向上したことを確認している。これら作製した機能性アルブミンを、肝不全等における体外肝サポートシステムとして活用されているECADの分子吸着剤として用いることで、従来の治療方法に比べ、血液中の恒常性が維持され、肝臓をはじめ、脳、腎臓などの臓器機能や血行動態が改善されるようになるため、生体肝臓移植や血液浄化の観点から非常に意義深い。今後は、毒素捕獲型アルブミン変異体を用いたECADを生体肝移植の前後に適応することにより、安全かつ有効な生体肝移植の実施に向けての更なる基礎的知見の充実を図る。
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