研究課題/領域番号 |
19659141
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
宮本 啓一 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70252343)
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研究分担者 |
野村 信介 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (20198625)
堀内 孝 三重大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10201758)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2007年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | IgA腎症 / 診断 / ジャカリン / レクチン / 糖鎖不全 / 予防 |
研究概要 |
慢性腎不全に陥る患者の約3割(国内で年間1万人弱)は、IgA腎症が原因とされる。IgA腎症は血液中の免疫グロブリンA(IgA)に糖鎖不全が生じ、腎糸球体にIgAが沈着し続け腎機能が低下する腎炎と考えられている。IgA腎症の成因は不明で、蛋白・血尿以外には自覚症状がないため病気の進行に気づきにくく、確実な診断方法は腎生検以外に無く疾患の発見が遅れる場合が多い。IgAは通常その多くが腸管粘膜下リンパで産生され血液中に移行するが、何らかの理由で患者血液中のIgA濃度が健常者より高くなり、且つ糖鎖不全が生じ、この状態が長く続くことで腎糸球体にIgAが沈着し腎機能が消失すると考えられている。主な治療法は、発症初期に発見できた場合には抗炎症剤として副腎皮質ステロイド剤が用いられるが、これは初期の場合にのみ有効であることから、早期発見のための診断法が望まれている。 本研究は、血液中の糖鎖不全IgAを迅速にかつ系統的に検出できるIgA腎症診断法の開発のために、IgAサブクラスに存在する全ての正常および不全糖鎖の検出が可能な、分子素材を創製することを主たる目的とした。この目的のために、糖鎖不全IgA結合分子(変性ジャカリン)を作成・精製し、その糖鎖認識性を検討した。初年度はその製法を確立したが、2年度は更に精製し純度と機能性を向上させ、実際にIgA腎症患者血液中の糖鎖不全IgA濃度を測定できる診断法の開発に成功した。今後、この方法を用いることでIgA腎症早期発見システムの構築に貢献が期待できる。
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