研究課題/領域番号 |
19659158
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小山 洋 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30143192)
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研究分担者 |
山崎 千穂 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教助 (20506422)
勝矢 陽子 群馬大学, 大学院・医学研究科, 助教 (70398535)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2007年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | セレン / スプラウト / がん / 細胞増殖抑制 / 微量元素 |
研究概要 |
H19年度に確立したセレン添加方法を用いて、安定的にセレン強化ブロッコリースプラウトを栽培することが可能となり、その抽出液を用いて以下の実験を行った。まずは、HPLC-ICP-MSを用いて抽出液中のセレン化合勅を同定・定量した。昨年度明らかにしたセレノメチルセレノシステインだけでなく、ごく少量のセレン酸と亜セレン酸が含まれ、含有量はそれぞれ、24.2μM、2μM、6.16μMであることが示された。 前立腺がんの3種類の細胞株(LNCaP、DU145、およびPC3)を用いてセレン強化ブロッコリースプラウト抽出液を加えて培養し、細胞生存活性をMTTアッセイ法を用いて測定した。量一反応曲線を求め、がん細胞に対する50%作用濃度IC50を明らかにした。LNCaP細胞に対する通常ブロッコリースプラウト抽出液のIC50は19倍希釈液であったが、セレン強化ブロッコリースプラウト抽出液のIC50は32倍希釈液(セレノメチルセレノシステイン濃度0.75μM)であり、がん細胞活性をより低濃度で抑制することが示された。 IC50濃度のセレン強化プロコッリースプラウト抽出液をLNCaP細胞に作用させ、添加後のがん細胞を経時的にホモジネートし細胞質抽出液を用いてウエスタンブロットを行い、アポトーシス関連タンパクの検索を行った。通常ブロッコリー添加がん細胞ではアポトーシス関連タンパク質であるカスパーゼ3の増加のみが見られたが、セレン強化プロコッリースプラウト添加群ではカスパーゼ3の増加だけでなくカスパーゼ3失活酵素(PARP)の減少も観察された。また、サバイバル系のタンパク質であるAktおよびmTORのリン酸化も阻害されており、がん細胞においてセレン強化ブロッコリースプラウト抽出液は、複数の経路を介してアポトーシスを誘導していることが明らかとなった。 これらの研究成果については、研究協力者の本学大学院生Abdula hRizkyが"Selenium increased chemosensitivity and apoptosis of LNCaP Prostate cancer cells to broccoli sprouts extract"と題してBMC Cancerに投稿中である。
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