研究課題/領域番号 |
19659180
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
下瀬川 徹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90226275)
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研究分担者 |
正宗 淳 東北大学, 病院, 助教 (90312579)
粂 潔 東北大学, 病院, 医員 (30431563)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2007年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 遺伝子解析 / スプラシング / トリプシン / 慢性膵炎 / 急性膵炎 / 膵癌 / スプライシング |
研究概要 |
平成20年度は、正常ならびに変異SPINK1蛋白を特異的に認識する抗体の作成を行った。すなわち変異を持たない正常(wild type)のSPINK1蛋白(79アミノ酸)ならびにIVS3+2T>C変異の結果、エクソン3を欠失した変異蛋白(63アミノ酸)の抗原部位解析を行い、それぞれの蛋白を特異的に認識する抗体をウサギならびにラットにて作成した。これらの抗体を用い、血中の正常ならびに変異SPINK1蛋白を検出するためのSandwich ELISAの系を作成した。すなわちELISAプレートをラットにて作成した抗体にてコートし、IVS3+2T>C変異をホモおよびヘテロ接合にて有する患者血清を添加、captureされたSPINK1蛋白を、ウサギにて作成した抗体を結合させた後、TMB基質を用いて検出した。IVS3+2T>C変異を有する患者血清では、健常者のそれと比べて変異SPINK1蛋白濃度が高値であり、この検出系により、IVS3+2T>C変異を、遺伝子解析をすることなく簡便に多数の検体を用いて解析することが可能と考えられた。その一方で、ホモ接合とヘテロ接合間では、検討数が少ないものの、変異SPINK1蛋白レベルに差は認めなかった。これは、ホモ接合体でも野生型SPINK1蛋白を産生するためなど、種々の理由が考えられた。より症例数を増やした検討が必要と考えられた。 あわせて、前年度に引き続き、急性ならびに慢性膵炎、そして膵腫瘍患者におけるSPINK1遺伝子、PRSS2遺伝子変異の解析を行った。このうちPRSS2遺伝子のG191R変異の頻度は、アルコール性および特発性慢性膵炎で健常者に比べ低頻度であった。さらにアルコール性急性膵炎患者においても、検討した59例で1例も認めなかった。このことはアルコール性急性膵炎と慢性膵炎は、単一疾患であるという考え方を示唆するものかもしれない。
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