研究課題/領域番号 |
19659202
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
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研究分担者 |
李 鍾國 名古屋大学, 環境医学研究所, 准教授 (60303608)
福田 恵一 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (20199227)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2007年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 交感神経 / 心筋 / 不整脈 / 心臓突然死 / 神経栄養因子 |
研究概要 |
交感神経分布異常をきたすsemaphorin 3a過剰発現マウスと野生型マウスの心拍数・心拍変動などの心電図パラメータの解析と不整脈発生の観察を行った。その結果、野生型に比べ、Sema 3a TGマウスにおいては心室頻拍と心室細動が高頻的に誘発されることが観察された。また、Sema3aTGマウスにおける心臓のイオンチャネル・トランスポータ・受容体等のmRNAをRT-PCR法で調べたところ、CaチャネルやKチャネルなどをはじめとする、複数の遺伝子発現に変化が生じていることが分かった。さらに、ラット新生仔の交感神経上頸神経節細胞と心室筋細胞を単離し、近接培養を行い、Nerve growth factor (NGF)、Glial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF)、Ciliaryneurotrophic factor (CNTF)、Sema3aなどを添加し、5日目に、交感神経細胞の伸長、神経・心筋接合部の状態を免疫染色法で観察した。また、多電極培養皿を用いた心筋細胞の細胞外電位記録法により、ニコチン誘発神経刺激後の心室筋細胞の自己拍動の変化を観察した。その結果、NGFとGDNFは、心筋細胞へ向かう交感神経細胞突起の伸長を明らかに促進した。一方、CNTF、Sema3aを添加した培養群では、神経突起の伸長が阻害された。ニコチン(1μM)添加により、GDNF添加群の心筋細胞自己拍動レートは、Control群に比べて有意に増大した。以上の結果より、GDNFが、心筋細胞に向かう交感神経突起の伸長と心筋-神経の機能的な接合形成を促すことが判明し、交感神経分布異常にたいする新しい修復法となりうると考えられた。
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