研究課題/領域番号 |
19659204
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
王 英正 京都大学, 医学研究科, 准教授 (50372579)
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研究分担者 |
上山 知己 京都大学, 医学研究科, 助教 (80379388)
小形 岳寛 京都大学, 医学研究科, 研究員 (10402877)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 心臓内幹細胞 / Akt / 心不全 / 幹細胞増幅因子 / Sca-1 / 急性心筋梗塞 |
研究概要 |
本研究の目的は、心臓内幹細胞の特異的増殖規定因子の同定であり、これまでの我々の報告から、心臓内幹細胞は主として、細胞表面抗原であるSca-1で認識及び精製できること、また、Sca-1ノックダウンマウスの機能解析から、Aktが重要な候補支配因子であることが明らかとなった。そこで、本研究では、Sca-1プロモーターにAktをノックインした薬剤誘導型Akt発現マウス(Sca-1/Akt mice)を作成し、遺伝子工学的手法用いて、Akt依存性に活性化される心臓内幹細胞の網羅的検索を行った。結果:1)Sca-1ノックダウンマウスに急性虚血を作成すると、梗塞後1週間での生存率が約30%と野生型の70%に比べ、有意に低下したことから、Sca-1依存性に心臓内幹細胞の自己増殖に重要な因子の発現低下が関与していることが示唆された。一方、Sca-1/Akt miceに虚血を導入すると、急性生存率が野生型と同様なレベルまでに回復し、Sca-1/Aktの活性化を軸とした心臓内幹細胞による障害心筋細胞の自己修復機構の存在が確認された。2)Sca-1/Aktを介した心臓内幹細胞の増殖規定因子を検索するため、野生型及びSca-1/Aktマウスの心臓内から幹細胞をそれぞれ精製し、マイクロアレイによる網羅的検索を行った。cutoff indexを2倍以上に上昇した因子群に集約すると、心臓幹細胞はAkt依存性に活性化される増殖制御因子として、インスリン様成長因子結合蛋白4やセマフォリン3C、さらに、Wnt/beta-cateninの経路を調節するfrizzled関連蛋白1/2が候補因子として同定された。これらの因子群はいずれもin vitroでの検討で心臓内幹細胞の増殖能を促進させ、今後in vivoにおけるこれらの因子群の心筋虚血耐性の役割について、さらに詳細に検討していく予定である。
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