研究課題/領域番号 |
19659211
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長谷川 好規 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20270986)
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研究分担者 |
橋本 直純 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30378020)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 上皮間葉系細胞転換 / Notch受容体 / 癌の転移 / 肺癌 / 血管内皮細胞 / アポトーシス / ルイス肺癌 |
研究概要 |
上皮細胞が間葉系細胞に変化する現象は、上皮間葉系細胞転換(EMT)として、またその逆の現象は間葉-上皮系細胞転換(MET)として知られており、この現象に関わる分子メカニズムについて精力的に研究が進められ、複数の分子が重要な役割を果たすことが報告されている。しかし、固形癌の進展・転移の成立におけるEMT/METの役割と分子メカニズムについてはまだ不明である。本研究では、EMT/METに関わる分子のなかでもTGF-βとともに重要な役割を果たすと考えられているNotch受容体とそのシグナル経路に焦点を絞り、その役割を明らかにする過程を通して、固形癌の進展・転移の成立におけるEMT/METの役割、さらには、Notch分子の発現や制御による固形癌制御の可能性を検討した。研究期間内に、(1)Notch細胞内ドメイン(NICD)の発現vectorの構築、(2)恒常的NICD発現細胞株の樹立、(3)apoptosis assay、(4)NICDサブクラスの影響の検討、(5)NICDの遺伝子導入におけるEMT機序への影響、について研究を実施した。その結果、肺癌細胞株においてNICDの発現誘導は、今回検討した細胞株においてアポトーシス誘導による抗腫瘍作用を示すことが示唆された。以前の報告からも、さまざまな組織由来の癌細胞においてNotchシグナルの作用には、腫瘍増殖作用を示す癌細胞株と腫瘍細胞死を示す癌細胞株が存在することが観察されていた。これらの報告とあわせて検討する場合、肺癌細胞においては、Notchシグナルは、増殖抑制および細胞死を誘導する可能性が示唆された。これらの所見は、肺癌の新たな治療戦略のtargetとなる可能性を示唆するのと同時にNotchシグナルの更なる解析の必要性を示唆していると考えられた。
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