研究課題/領域番号 |
19659212
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
李 千萬 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (10432543)
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研究分担者 |
北川 透 大阪大学, 医学部附属病院, 特任准教授(常勤) (40314322)
西田 俊朗 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (40263264)
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00243220)
文元 雄一 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20397748)
菰田 弘 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70432482)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 胸膜中皮腫 / ヒアルロン酸 / CD44 / シスプラチン / 高分子量 / MPM;悪性胸膜中皮腫 / HA;ヒアルロン酸 / CDDP;シスプラチン / HMW;高分子量 |
研究概要 |
我々は悪性胸膜中皮腫(MPM)の細胞表面上にヒアルロン酸のレセプターであるCD44が高発現していることを見出した。そこで、ヒアルロン酸とヒト胸膜中皮腫細胞との結合性を検討すると、高分子量ピアルロン酸の結合性が低分子量ヒアルロン酸に比し高く、この結合性がCD44中和抗体の前処置で完全に阻害されることから、CD44依存的結合性であることを報告した。また、ヒアルロン酸のヒト胸膜中皮腫細胞の増殖能と遊走能に及ぼす影響についての検討では、Transwell chamberを用いたMigration Assayにおいて有意差を認めなかった。本年度研究において、Agarose gelを用いたProliferation Assayにおいて低分子量ヒアルロン酸は高分子量ヒアルロン酸やEGFに比し、ヒト中皮腫細胞の増殖能を亢進させること、また、低分子量ヒアルロン酸はExtracellular signal-Regulated Kinase (ERK)のリン酸化を亢進させ、逆に高分子量ヒアルロン酸はPhosphorylated Focal Adhesion Kinase(FAK)のリン酸化を阻害することを見出した。以上の結果より高分子ヒアルロン酸は、低分子ヒアルロン酸よりも胸膜中皮腫細胞への結合性が高く、且つ増殖能や遊走能を充進することがないため、高分子量ピアルロン酸シスプラチンを作製し、ヒト胸膜中皮種細胞への増殖抑制効果を検討した。 高分子量ヒアルロン酸シスプラチンをヒト胸膜中皮腫細胞と1ならびに3時間共培養後、24時間培養後の細胞増殖抑制効果を検討すると、1時間接触では、明らかな細胞増殖抑制効果を認めなかったが、3時時間接触では25ng/mLの低濃度でも明らかな細胞増殖抑制効果を認めた。しかしながら、シスプラチンのみに比し、条件を変えても、細胞増殖抑制効果が低いことが認められ、細胞表面への接触後の細胞内への取込みを上げるために、細胞融合能の高い非ウイルス性ベクターであるHVJ-Envelopeをこのヒアルロン酸製剤に結合させることとした。HVJ-Eを結合させるため、ヒアルロン酸にエチレンジアミンを結合させ陽電化を付加したCationizedヒアルロン酸を作製し、HVJ-Eを結合させた。また、ヒト中皮腫細胞株を用いたマウスモデルを作製し、シスプラチンの抗腫瘍効果を予備的に検討し、ある程度の抗腫瘍効果を認めることを確認した。
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