研究課題/領域番号 |
19659220
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西中村 隆一 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (70291309)
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研究分担者 |
稲永 敏明 熊本大学, 発生医学研究センター, 文部科研研究員 (70404340)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 腎臓発生 / ノックアウトマウス / マイクロアレイ / 後腎間葉 |
研究概要 |
10個のzincフィンガーを持つ核内因子Salllは腎臓前駆細胞集団である後腎間葉に発現し、かつこのノックアウトマウスは腎臓を欠損する(西中村らDevelopment,2001)。腎臓発生に関わる新たな遺伝子を探索するために、Salllの遺伝子座にGFPをノックインしたマウスを作成した(高里らMech.Dev.,2004)。このマウスの後腎間葉をFACSで採取してマイクロアレイ及びin situ hybridizationで候補遺伝子を抽出し、さらにノックアウトマウスを作成することで、腎臓発生に必須な遺伝子KIF-kを同定した。本研究はこの遺伝子による腎臓形成の分子機構を解明することを目的とする。KIF-kノックアウトマウスは出生時に腎臓を欠損するが、後腎発生当初から尿管芽の侵入障害がみられた。この過程に重要な液性因子Gdnfの発現が低下し、GdnfとKIF-kの二重ヘテロマウスの腎臓形成不全が増悪することから、KIF-kは最終的にGdnfの維持に重要であることが明らかになった。KIF-kがGdnfを直接運んでいる可能性、繊毛やShhシグナルに関わる可能性は否定され、後腎間葉の細胞接着に関わる可能性が高くなっている。細胞株でのKIF-kの過剰発現によって細胞接着が変化することもこれを支持している。KIF-kが細胞骨格に沿って何かを運んでいると仮定して、細胞接着変化を説明できるKIF-kの積荷(カーゴ)の同定を急いでいる。キネシン遺伝子の欠失によって特定の臓器が丸ごと欠損するのは初めての報告であり、腎臓発生のみならず細胞生物単的にも新たな概念を提唱できると考えている。
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