研究課題/領域番号 |
19659229
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
林 由起子 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 室長 (50238135)
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研究分担者 |
西野 一三 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 部長 (00332388)
野口 悟 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 室長 (00370982)
金子 加奈子 (後藤 加奈子) 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 研究員 (00392415)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | D4Z4リピート / long PCR法 / スプライシング / 遺伝子欠失 / 遺伝子発現 / 筋病理 |
研究概要 |
常染色体優性遺伝形式をとるFSHDは、遺伝性神経筋疾患の中で3番目に頻度の高い社会医学的に重要な疾患である。染色体4q35-ter領域に存在する3.3kbの繰り返し配列(D4Z4)の数が減少することによる疾患であるが、1991年遺伝子座が同定されて以後、その具体的発症機序は未だ明らかでない。本研究では、 1)我々が開発したlong PCR法を利用したFSHD遺伝子診断法を活用し、FSHD 250家系について、リピート数とサザンプロット解析の結果を比較・検討した。その結果、リピート数の多い患者、およびモザイクなど複雑なgenotypeの症例ではlong PCRでの検出は困難であったが、リピート数6個までは、PCRの方が正確であった0両者の長・短所を理解した上での解析が必要であると考えられた。現在リピート数と臨床症状との関連はデータ解析中である。 2)骨格筋を用いての:FSHD遺伝子診断は、サザンプロット法では不可能である。そこでPCR法を用いてリピート数を同定し、60例の4q35 FSH:Dを見いだした。そこで筋病理変化とリピート数の関連を検討したが、病理変化は極めて多様で、リピート数との相関は明らかでなかった。 3)筋病理変化の多様性を反映するように、骨格筋を用いた網羅的遺伝子発現解析結果も、また多様であり、疾患特異的あるいはリピート数との関連を示唆する遺伝子発現変化を見いだすことはこれまでのところできていない。さらに詳細な解析が必要である。 4)D4Z4リピート近傍に存在する遺伝子群の発現、およびスプライシング異常の有無を骨格筋を用いて検討したが、これまで報告されているような変化は見いだすことができなかった。 以上の結果より、臨床的・筋病理学的に多様で、遺伝学的にも複雑な本疾患の染色体欠失と病態との関連を明らかにするためには、新たな視点、方法論が必要とされるかもしれない。
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