研究課題/領域番号 |
19659233
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | インスリン / カルシウム / イオンチャネル / TRPV2 / β細胞 |
研究概要 |
本研究では、増殖因子により調節されるカルシウム透過性チャネルとしてクローニングされたTRPV2が、イン不リンを産生・分泌する膵β細胞においてどのような調節を受けるか、とくにインスリンによってオートクリン調節を受けるか、またTRPV2の作用の生理学的意義は何か?などを明らかにすることを目的として行った。 その結果、(1)TRPV2が膵β細胞に発現していること、(2)TRPV2が外因性のインスリンにより細胞内(小胞体)から細胞膜上へとトランスロケーションすること、しかもインスリン作用により細胞膜に組み込まれ、細胞外へ顔を出してチャネルとして機能を果たすこと、インスリン作用が除かれるとエンドサイトーシスを受けてゆっくりと細胞内プールに戻ること、(3)インスリンの投与によりβ細胞へのカルシウム流入が増加し、そのカルシウム流入はTRPV2を抑制するrutheniumredにより抑制され、さらにsiRNAによりTRPV2をノックダウンすると大きく抑制されること、したがってインスリンによるカルシウム流入にはTRPV2が関与していること、(4)グルコースやアセチルコリン、高濃度KCI、GPL-1などでインスリン分泌を刺激すると、TRPV2が細胞膜上にトランスロケーションすること、しかし抗インズリン抗体の投与やインスリン受容体をノックアウトしたβIRKO細胞ではそのような現象は見られないことから、内因性に分泌されるインスリンがTRPV2を細胞膜上にトランスロケーションさせていること、(5)TRPv2を抑制するトラニラストの投与や、siRNAによるTRPv2ノックダウンによりグルコース、高濃度KCI、アセチルコリン、GLP-1などによって惹起されるインスリン分泌が抑制されること、(6)トラニラストの投与やTRPV2のノックダウンにより細胞増殖が抑制されること、などが明らかになった。 以上の結果から、膵β細胞に発現するTRPV2は、β細胞から分泌されるインスリンによりオートクリン調節を受け、インスリン分泌や細胞増殖に関与していることが明らかになった。
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