研究課題/領域番号 |
19659241
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邉 俊樹 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30182934)
|
研究分担者 |
石田 尚臣 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (80293447)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | HTLV-1 / NMD / Rex / Tax / RNA管理 / レトロウィルス / Upf1 |
研究概要 |
成人T細胞白血病(ALT)はHTLV-1感染細胞の腫瘍化によって発症する。ウイルス遺伝子産物にいよる腫瘍化機構の一つとして、宿主細胞のRNA品質管理機構であるNMDをウイルス遺伝子産物が脱制御する可能性を検討した。その結果、ウイルスのがん蛋白質とされるTAXとNMDのコア蛋白質であるUPF1のin vivoとin vitroの実験系で相互作用が確認された。次に、NMD活性をモニターするLuciferaseを用いた人工的なレポーター系を構築し、それを利用してHTLV-1関連細胞株においてNMDが阻害されている傾向にあることを確認した。続いて、供培養感染実験によって、HTLV-1の感染によって、宿主細胞においてNMDが阻害されるということを初めて証明した。さらに、このレポーター系を用いて各HTLV-1ウイルス蛋白質の一過性過剰発現系を用いた解析を行い、HTLV-1感染による宿主細胞NMDの阻害が、Tax蛋白質ではなくRex蛋白質によるということを示唆するデータを得た。引き続き、Rex蛋白質による宿主細胞NMDの阻害機構の解析を開始している。これには、NMD機能複合体の中心的な蛋白質であるUPF1に着目して、RexとUPF1の相互作用はあるのか、UPF1のリン酸化状態に及ぼす影響等を解析していく予定である。また、NMDの阻害によって生ずる異常mRNAおよびそれにコードされる蛋白質が宿主細胞のに及ぼす影響を、腫瘍化の観点から検討中である。一方、HTLV-1のRNAゲノムはNMDあるいはSMDの基質となりうる構造を持つ事から、Rex蛋白質によるNMD阻害がウイルスのライフサイクルに取ってどのような意義を持つかに関しての解析を進めている。
|