研究概要 |
効率の良いレトロウイルス発現系とcolony replating assayを用いて、マウス骨髄細胞に、MLL-SEPT6でトランスフォームした細胞由来のcDNA発現レトロウイルスライブラリーを感染させて、癌幹細胞活性をもつ遺伝子を探索した。現在までのところ、未知の遺伝子は単離されていないが、既知遺伝子として、p21(Waf1/Cip1)のアンチセンスが単離された。p21はノックアウトマウスを用いた研究により、その欠損にて、造血幹細胞が静止期を逸脱し、細胞増殖が促されることが報告されている(Cheng T,et a1.,Science287,1804-8,2000)ので、我々の実験系の適正性が担保されたといえる。今後、未知の遺伝子が単離されることが期待される。 同様の実験系でin vivo実験(骨髄移植)を行い、HoxA9の強発現とRas/Raf/MAPKの活性化がマウスにおいて急性骨髄性白血病類似疾患を誘導することが判明した(Ono R eta1.,投稿準備中)。また、東大医科研との共同研究にて、Runx1変異体とEvilの共発現がマウスに骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病を誘導することも観察した。
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