研究課題/領域番号 |
19659247
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
加藤 規子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (10252785)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 造血幹細胞 / がん抑制遺伝子 / がん遺伝子 |
研究概要 |
造血幹細胞の維持・増殖・老化の制御機構において、がん抑制遺伝子経路が重要な役割を担う。我々は、その制御異常が骨髄増殖性疾患を惹起することから、造血幹細胞の制御に深く関わると期待できるJabl-INK4a/pl6経路およびMLFl-CSN3-COPl-p53がん抑制経路の存在を見いだした。Jabl(CSN5)およびCSN3はともに、COP9シグナロソーム複合体(COP9signalosome;CSN)の構成因子であり、同じCSN複合体に属する。CSN複合体はシグナル伝達系・細胞周期・蛋白質分解系の活性化制御に広く関わる。Rb・p53両がん抑制経路ネットワークと繋がるこれら新規因子群の研究により、造血幹細胞の制御機構、さらには白血病性幹細胞の成立機構を解析することを目的とした。 1.Jabl/CSN5による造血幹細胞の増殖の機能解析:Jablノックアウトマウスおよびトランジェニックマウス(Jabl-Tg)を作製し解析した。Jabl+/-マウスでは造血能の低下を示すが、Jabl-Tgマウスでは骨髄増殖性疾患(MPD)を発症し造血幹細胞の増加を示した。分子機構解析の結果、JablはSMYD3と協調的に働きINK4a/p16がん抑制遺伝子の転写を抑制することにより、造血幹細胞の増殖を促すことを見いだした(J.Biol.Chem)。 2.DNA損傷ストレスに対する造血幹細胞におけるMLFl・CSN3の機能解析:白血病関連因子MLFlは細胞質一核間シャトル機能を有する。核内移送によりCSN3を介してCOPの活性を抑制しp53の安定化を促す。NPM-MLFl白血病原因融合因子の構成はMLFlシャトル機能不全をもたらす。発がんストレスに対するMLFl-p53誘導経路が阻害され、幹細胞の品質管理に異常が生じることを見いだした(Mol.Cell.Biol)
|