研究課題/領域番号 |
19659306
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白石 憲史郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (40447404)
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研究分担者 |
中川 恵一 東京大学, 医学部・附属病院, 准教授 (80188896)
垣見 和宏 東京大学, 医学部・附属病院, 准教授 (80273358)
井垣 浩 帝京大学, 医学部・附属病院, 准教授 (90361344)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 放射線 / 腫瘍免疫 / abscopal effect / 放射線治療 / ケモカイン |
研究概要 |
局所制御能の優れた放射線治療にシステミックな効果とメモリー機能を持った免疫細胞治療を併用することにより、免疫応答を介して生体に与える効果を増幅し、照射部位のみならず全身的で断続的な治療効果を発揮する革新的な癌の治療法の開発が期待できる。この理論的根拠として、局所のみの放射線治療が時として他部位の腫瘍にも影響を与える事実"abscopal effect"が50年ほど前からしられている。この興味深い現象の免疫学的な基礎実験データによる検証はほぼ皆無であったが、本研究において抗腫瘍活性を持ったエフェクター細胞としてMacrophage inflammatory protein-1α(MIP-1α,CCL3)に着目し、単独あるいは放射線照射を併用した抗腫瘍活性に関する基礎的検討を行い、免疫賦活剤と放射線を併用することで抗腫瘍作用が著しく増強されることを確かめた。これにより再現性の高い"abscopal effect"の人為的な誘導に成功した。 その機序を分子レベル、細胞レベル、個体レベルで解明することにより革新的治療法を開発して癌治療の新分野を開くことをを目的とし、前年度に明らかにした免疫担当細胞浸潤との関連につき各々にdepletion studyを施行ことでeffector cellを同定した。 また"abscopal effect"の分子生物マーカー探索においてHMGB1が深く関与していることも発見し、このタンパクが認識するTLR4活性化を介したDCの誘導がこの効果の本質である可能性が示唆された。この端緒的発見は、放射線治療や化学療法の治療効果の背景に腫瘍免疫が何らかの役割を果たしているという未知の可能性を含み、今後の飛躍的発展につながる潜在的可能性を持つものと期待される。
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