研究課題/領域番号 |
19659323
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大段 秀樹 (2008) 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10363061)
浅原 利正 (2007) 広島大学, 学長 (70175850)
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研究分担者 |
大段 秀樹 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (10363061)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 肝移植 / NK細胞 / C型肝炎 / 細胞免疫療法 |
研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)性肝硬変に対する肝移植後では、肝炎の再発や増悪が高率に起こる。しかし、原因究明や予防法の確立歯は依然なされておらず、世界的にも難局視されている研究課題である。 本研究の目的は、末梢あるいは肝由来の活性化natural killer(NK)細胞の抗HCV機構を解明し、HCV感染患者に対する肝移植後肝炎再発の予防法として、活性化NK細胞移入療法を臨床応用することである。平成19年度までには、活性化NK細胞のHCV複製抑制機構の解明に関する検討をin vitroで行い、抗HCV効果をもたらす主要な液性因子はIFN-γであり、中和抗体存在下ではHCV複製抑制効果が減弱することを解明した。 平成20年度には、活性化NK細胞による抗HCV効果のin vivo解析を行った。HCV感染ヒト血清を移入したヒト肝細胞キメラマウスにヒト活性化NK細胞を移入したところ、RCV感染が予防され有意なHCV増殖抑制効果が確認された。さらに、臨床肝移植症例に対し、肝由来活性化NK細胞を移入し、術後HCV肝炎の再発予防に関する検討を行った。2008年12月までにHCV陽性肝癌肝移植患者へのNK細胞療法を12例に施行した。急性拒絶反応を含め有害事象は認めず、NK細胞治療の安全性が確認された。肝移植術後の血清HCV RNA量は、術後4週間にわたって細胞治療非施行群よりも有意に低値で推移し、臨床症例でも活性化NK細胞療法の有用性が確認された。現在、HCV感染肝移植症例を対象に、活牲化NK細胞治療の無作為比較検討試験を施行中である。本治療の有用性を実証すべく、今後さらに症例を重ねて検討する。
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