研究課題/領域番号 |
19659352
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00243220)
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研究分担者 |
市川 肇 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (60303939)
松宮 護郎 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20314312)
上野 高義 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60437316)
倉谷 徹 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (90448035)
藤田 知之 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10457012)
松江 一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80437318)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 虚血再灌流心筋障害 / Activated protein C / Adenylate kinas 2 / 抗アポトーシス / 内皮機能 / short interferrense RNA |
研究概要 |
1.ラットモデルを用いた薬剤(蛋白)導入による虚血再灌流心筋に対する保護の研究を行った。用いた薬剤は市販化されているActivated protein Cだが、以前より同効果の報告は為されているものの、詳細な機序は解明されていなかった。今回の実験で物理的かつ生化学的な内皮細胞への関与とそれに伴う細胞内シグナル(抗アポトーシス経路)の一部分が活性化されることが考えられた。以上の成果より同薬剤のevidenceに基づいた臨床応用が期待され、また使用適応拡大の一助になることが考えられる。 2.同様にラットモデルを用いた遺伝子導入による心筋保護効果の検討を行った,用いた遺伝子は細胞内エネルギーに関与するAdenylate kinase2である。同遺伝子によるvitro研究は当教室にてまとめられており、エネルギーサイクルの活性化からその有用性が指摘されている(2006年 AHA発表、論文投稿中)。In vivoにおける今門の実験では同遺伝子を反対に抑制するSiRNAを導入する実験システムとしたため、直接的な心筋保護効果よりも、SiRNA導入による心機能低下を確認できた。またSiRNAによるAK2遺伝子の発現が抑制されたことにより、一種のpreconditioning様の作用が認められ、長期経過における心筋利モデリングの遅延が誘導された可能性も得られた。今後の課題としては、vitroで確認された機序との融合とAK2遺伝子自体もしくはAK2蛋白を直接導入したときの心機能改善効果を得る必要がある。 3.以上より1,2二つの実験系から個別に虚血再灌流心筋障害を予防しうる方法を確立し得た。異なる機序でもあり同時に行った場合の相互作用や干渉作用による効果への影響は検討すべきであり、臨床応用へは特に実験2.の遺伝子導入に当たっての倫理的観点も解決すべき部分である。一方でこれらの成果から、将来へ向けたハイブリッド型心筋保護法への実現は十分に可能性が期待できる。
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