研究課題/領域番号 |
19659357
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
安元 公正 産業医科大学, 医学部, 教授 (30150452)
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研究分担者 |
杉尾 賢二 産業医科大学, 医学部, 准教授 (70235927)
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 講師 (30299614)
竹之山 光広 産業医科大学, 医学部, 講師 (10309966)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 肺癌 / 腫瘍抗原 / CTL / ワクチン療法 / 免疫療法 |
研究概要 |
新規腫瘍抗原の同定に関して、当科で外科切除を行なった肺癌症例より肺癌細胞株の樹立を行い、肺癌細胞株と所属リンパ節リンパ球を共培養することで腫瘍特異的な細胞障害性を示す細胞障害性Tリンパ球(CTL)を誘導してきた。平成19年度において、誘導したCTLの認識する腫瘍抗原の同定をcDNA発現クローニング法で行なった結果、新規腫瘍抗原であるGITR(glucocorticoid-induced tumor necrosis factor receptor-related gene)とRPL19(Ribosomal Protein L19)の2種類の抗原の同定を行った。平成20年度は、RPL19が、正常肺組織に比べて、肺癌組織において高発現していることを明らかにした。また、siRNAを用いた遺伝子解析によりRPL19は、肺癌細胞の増殖に関与していることが示された。 一方、新規癌・精巣抗原KK-LC-1に関しては、KK-LC-1特異的CTLクローンより、T細胞受容体遺伝子を単離し、γδ細胞やNKT細胞に遺伝子移入を試みた。その結果、T細胞受容体遺伝子を移入したγδT細胞は、KK-LC-1抗原を認識して細胞障害活性を示すことが明らかとなった。このT細胞受容体遺伝子を移入したγδT細胞は、容易に増殖させることが可能であり、新しい抗腫瘍エフェクター細胞として有望であるといえる。 さらに、HLA発現を喪失している肺大細胞癌に対して、β2-ミクログロブリン遺伝子を導入することによりHLA発現を回復させた上で、CTLクローンを誘導し、cDNA発現クローニング法により、新規の腫瘍関連遺伝子(LRRC8A; leucine rich repeat containing 8 family member A)を同定した。 以上の研究は、新しい腫瘍関連抗原を標的とした免疫療法の確立のために重要な知見となると考えられる。
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