研究課題/領域番号 |
19659361
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
吉村 紳一 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40240353)
|
研究分担者 |
岩間 亨 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20303498)
大江 直行 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (60362159)
榎本 由貴子 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20377659)
山田 清文 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (40402200)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 脂肪組織由来間葉系幹細胞 / 骨髄由来間葉系幹細胞 / 脳虚血 / 細胞移植治療 / 脂肪組織由来幹細胞 / 脂肪由来間葉系幹細胞 |
研究概要 |
1.脂肪組織由来間葉系幹細胞は骨髄由来間葉系幹細胞よりも増殖速度が早い。 C57BL/6マウスから採取培養した脂肪組織由来間葉系幹細胞(ASC)と骨髄由来間葉系幹細胞(BSC)を同条件で培養したところ、ASCはBSCに比べ、マウス週齢に関わらず増殖速度が有意に早いことを確認した。 2.ASCはBSCよりも脳梗塞急性期に対して高い治療効果を示す。 マウス中大脳動脈一過性(90分)閉塞/再灌流モデルを作成し、再灌流時にASC、BSCを末梢静脈より投与すると、ASC投与群はBSC投与群よりも脳梗塞体積を減少させ、24時間後の麻痺症状も軽減させる効果があった。 3.ASCは虚血後の脳組織再生に有用な成長因子を産生する。 培地中に産生される各種サイトカインを測定したところASCはBSCよりもHGF、VEGF Angiopoietin-1の産生量が有意に多いことを確認した。 4.脂肪組織由来間葉系幹細胞は神経系細胞及び血管内皮細胞に分化誘導できる。 C57BL/6マウスから採取したASCをindomethacin、insulin、IBMX含有の神経分化用培地にて培養するとneuron、astrocyte、oligodendrocyteのマーカーを発現する細胞が観察されること、また血管内皮用培地で培養すると血管内皮細胞(Dil-acLDL陽性細胞)へ分化誘導されることを確認した。 本研究では、急性期脳梗塞に対するASC静脈投与が有効である可能性を強く示唆し、その効果は従来注目されてきた同じ間葉系細胞であるBSCよりも優れていた。更に、神経・血管系への分化能を有し、各種成長因子の分泌能もあることから、亜急性期以降の脳組織再生にも貢献しうるといえる結果であった。以上より、ASC移植による虚血性脳疾患治療は今後新たに期待・開発されるべき治療法であることを示した。
|