研究課題/領域番号 |
19659393
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
植村 壽公 (植村 寿公) 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (60176641)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 脂肪 / 間葉系幹細胞 / 骨・軟骨 / cbfal |
研究概要 |
平成20年度は昨年度行った「脂肪由来間葉系幹細胞のCbfa1過剰発現による骨芽細胞への分化、骨形成促進効果に関する研究」を更に進めた。昨年度はCbfa1遺伝子の組み換えアデノウイルスを、MOI=100〜500程度でラット脂肪由来細胞に感染させ、Northern blotによりCbfa1の発現、そしてその過剰発現によるオステオカルシン発現の変化、骨芽細胞への分化能、骨形成能などを確認した。本年度は、培養骨移植法に従って移植実験を行うために、細胞足場材料の検討を行い、セラミックス系材料よりポリマー系多孔性材料が適していることを見出し、ポリ乳酸系スキャホールドOPLA(PL(LA-DLA))を選択した。OPLAブロックにCbfa1遺伝子の組み換えアデノウイルスを感染させた脂肪細胞を導入し、インビトロで骨誘導培地のもと培養し、ラット背部皮下に移植した。コントロールとして、非感染群を同じラット皮下に移植した。コントロール群は、インビトロでの骨誘導培養により一旦骨芽細胞様の細胞に分化するが、移植後8週間で、脂肪細胞が頻繁に観察され、骨形成はわずかしか観察できなかった。一方、Cbfa1感染群は、コントロール群のような脂肪細胞の発現はなく、HE染色像で顕著な新生骨再生が確認できた。またTRAP染色により破骨細胞の発現が確認され、骨のリモデリングが起こっていることが示唆された。以上の結果から、脂肪細胞由来の幹細胞は一旦骨芽細胞様細胞に分化誘導してもインビボで脂肪細胞へのtransdifferentiationが起こりやすく、Cbfa1遺伝子導入によりインビボでの骨形成が可能となることがわかった。また、血管誘導性のvegf遺伝子導入を併用すると骨再生能が向上することが分かった。
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