研究課題/領域番号 |
19659394
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター) |
研究代表者 |
福井 尚志 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 病態総合研究部, 研究部長 (10251258)
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研究分担者 |
疋田 温彦 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 病態総合研究部, 特別研究員 (60443397)
山根 昌治 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 病態総合研究部, 特別研究員 (40419148)
鈴木 隆二 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 病態総合研究部, 特別研究員 (70373470)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 変形性関節症 / インテグリン / ファイブロネクチン / 異化反応 |
研究概要 |
当初の研究計画に基づいてヒトの変形性関節症(OA)罹患関節から軟骨細胞、滑膜細胞を採取して研究を行ったところ、以前より報告されている断片化されたファイブロネクチンによる異化反応の誘導はこれらの細胞において当初の予想より弱いことが明らかになった。一方我々が並行して進めている研究からOAの進行には滑膜で産生されるMMPが大きく関与する可能性が示された。このため本研究では引き続いて滑膜細胞がMMP,とくにMMP-1,3を産生する機序を明らかにするための研究を展開した。さまざまな条件を検討した結果、器官培養により維持した滑膜においてタンパク分解酵素による組織の損傷を引き起こすと滑膜中の線維芽細胞が活性化されてMMPの発現が誘導されることを見出した。これらの知見から我々は現在、OAにおけるMMP産生亢進の機序として、はじめ何らかの原因により滑膜に局所的なMMPの発現、活性が誘導されると、これが滑膜組織を局所的に障害し、これによって同部位においてMMPの発現が誘導されるという一種のポジティブ・フィードバックの機序が介在する可能性を考えている。 滑膜中の線維芽細胞によるMMPの産生は、創傷治癒の過程における線維芽細胞によるMMP産生と類似している。関節内では例えば皮膚の創治癒と異なり滑膜組織の障害が生じてもclotが形成されず、したがって創治癒の機転が進行しない。この理由によって滑膜細胞によるMMPの産生が持続することになり、これがOAにおける軟骨変性をもたらす原因の一つであるのかもしれない。本研究は平成20年度で終了するため、本研究の結果から設定された滑膜におけるMMPの産生機序に関する仮説を別の研究計画によって検証していく予定である。
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