研究課題/領域番号 |
19659430
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
原 孝彦 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (80280949)
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研究分担者 |
中山 由紀 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (30332381)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | CXCL14 / 子宮 / 卵巣 / マクロファージ / ケモカイン |
研究概要 |
ケモカインCXCL14は、マウスでは子宮と卵巣に強く発現しているが、精巣ではつくられていない。CXCL14の雌特異的な生理的機能を理解することを目的として、我々はCXCL14欠損マウスを作出しその表現型を詳細に解析してきた。CXCL14欠損マウスは、雌のみ体重が10-20%軽くなり、肥満性インスリン抵抗性が改善する。また、雌でのみ血中インスリン濃度も低下している。CXCL14欠損雌マウスで観察された軽体重は摂食量低下が主な原因であり、基礎代謝率や活動量に顕著な差はなかった。そこで、組換え体CXCL14タンパク質を、CXCL14欠損雌マウスおよび野生型雌マウスの側脳質にカニューレを通じて投与してみたところ、両者とも摂食量に有意な変化は観察されなかった。しかし、この実験初日において、CXCL14欠損雌マウスだけは強いショック症状を呈し、ほとんど摂食しなくなった。飼育用ケージから行動測定用ケージに入れた初日でも、CXCL14欠損雌マウスだけは摂食量が著しく低下した。したがって、CXCL14欠損雌マウスの低体重には、環境変化やストレスへの順応が悪いことが寄与していると推察される。CXCL14は、視床下部の食欲調節部位を含む中枢神経に間接的に働きかけて、動物個体の環境順応をサポートしている可能性がある。このような働きは他のケモカインにはないユニークなものである。予備的な実験結果では、CXCL14走化性はエストロゲン添加によって増強された。しかし、CXCL14の雌特異的な働きの分子基盤を理解するためには、天然のCXCL14タンパク質を精製し、翻訳後修飾や結合タンパク質の有無を決定する必要がある。そこで、組換え体CXCL14タンパク質をCXCL14欠損マウスに免疫することで、CXCL14を認識するモノクローナル抗体を複数作出した。現在、これらを利用して天然のCXCL14タンパク質を免疫沈降すう実験を進めている。
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