研究課題/領域番号 |
19659435
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
宇佐美 真一 信州大学, 医学部, 教授 (10184996)
|
研究分担者 |
工 穣 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (70312501)
我妻 道夫 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (00419409)
塚田 景大 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (90419375)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 脳機能 / 聴覚 / 平衡覚 / 嗅覚 / PET / fNIRS / 森林浴 |
研究概要 |
本研究では、fNIRSおよびPETを用いて、感覚器刺激を受けた際の脳機能変化を解析し、臨床応用につなげるための基盤情報を整備することを目的としている。本年度は前年度までに引き続き、fNIRS、PETを用いた聴覚、平衡覚刺激に応答する脳部位の特定を目的にデータ収集を行った。 聴覚に関しては、前年度までに引き続き、絵本を朗読する際の話者の顔を撮影したビデオを音声なしの条件で視聴したときに活性化する脳部位を、PETおよび一次聴覚野を中心とする言語性運動野を含む領域(横側頭回および上側頭回)に多チャンネル近赤外線スペクトロスコピーを用いて測定した。測定機器をPETセンターに持ち込み、NIRS計測後にPETによる脳機能解析も併せて実施し、NIRSのデータとPETのデータの間で比較検討を行なうことで、より客観的な尺度を導入することを目指した。 その結果、先天性の高度の聴覚障害を持つ小児において、音声なしのビデオによる視覚刺激だけであるにもかかわらず、一次聴覚野および聴覚連合野が賦活していることが明らかとなった。従来、先天性の高度の聴覚障害がある場合に、脳の神経回路の再編成がおこり、聴覚連合野が視覚刺激に応答するようになるが、一次聴覚野は聴覚刺激に応答するよう担保されていると考えられていたが、非常に興味深いことに、今回のケースでは一次聴覚野領域にも活性化部位が認められていたため、一次聴覚野のような基盤となる応答部位においても再編成が起こり得ることを示した始めての例であり、今後さらに検討を行いメカニズムの解明を行う予定である(Moteki et al., submitted)。
|