研究課題
萌芽研究
実験計画書に示したように、in vitroでヒトフィブリンを作成し、超音波、組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)を投与して、それらが血栓融解に及ぼす影響をD-dimer量を指標として検討した。その結果、血栓融解効率は、超音波、tPA投与のいずれにおいても増加したが、超音波とtPAを同時投与すると著しく増大した。その際、温度上昇は見られなかったことから、この作用メカニズムは純粋に超音波作用によることが推測された。そこで、in vivoにおける作用を調べる目的で、ラット虹彩にYAGレーザーを照射して前房出血を起こし、出血性のフィブリンを作成した。そこに、超音波照射、tPA投与をそれぞれ別々、あるいは同時に施行して線溶活性へ及ぼす影響をフィブリン消失時間を調べることで調べた。その結果、in vitro実験と同様に、温度上昇なしに、線溶活性が著しく亢進し、前房内フィブリンは超音波照射とtPA投与を同時に行うことで明らかに消失時間が短縮した。この結果は、人間のフィブリン治療につながる重要な結果であり、現在Journal of Ultrasound Medicine誌に投稿し、revise中である。次に、本原理を臨床応用する前に、眼球に超音波を照射した際の安全性を調べるための研究を計画した。平成20年9月に鹿児島大学病院倫理委員会に安全性試験についてプロトコールを提出して、許可を得た。現在までのところ、角膜、網膜に問題は見られていない(2人実施)。本年度の結果から、我々の計画は確実に臨床応用へ向かって前進していると言える。
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