研究課題/領域番号 |
19659473
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
救急医学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
福本 眞理子 北里大学, 薬学部, 准教授 (40137914)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アセトアミノフェン / 急性中毒 / 肝毒性 / アセトアミノフェン蛋白付加物 / バイオマーカー / 分析法 / 予後の判定 / 重症度の指標 / 分析科学 / 薬学 / 臨床 / 中毒 |
研究概要 |
アセトアミノフェン中毒に対する毒性評価、予後判定および解毒薬投与の指標として現在ノモグラムを用いた摂取後4時間以降のアセトアミノフェン血中濃度が用いられているが、ノモグラムの判定では解毒薬投与も必要なく、軽症と判定されたにもかかわらず重篤な肝毒性を呈する症例が報告されている。そこで、アセトアミノフェンの肝毒性の本体である毒性代謝物N-acety1-p-bennzoquinone imine(NAPQI)が肝細胞の蛋白のSH基と結合した結果、血清中に逸脱してくるアセトアミノフェン蛋白結合体(3-Cys-A)を新規バイオマーカーとして分離測定する方法を確立した。具体的には、中毒患者血清を30時間透析後、透析膜内液をproteaze処理後、除蛋白して得られた上清をHPLC試料とした。検出には電気化学検出器を用い、蛋白質量で補正した。欧米の報告ではアセトアミノフェン由来の劇症肝不全患者では0.36〜2.83nmol/mg protein検出されるが、定量限界は0.029であり、臨床応用に十分な感度を有する。本法を用いて、日本人中毒症例10例の血清検体を測定したところ、3-Cys-Aの濃度は0.013〜0.202(0.050±0.056)と低値であった。これは対象症例がいずれも軽症であったためであり、欧米での報告と一致する結果となった。正確に重篤な肝毒性を推定するためのバイオマーカーとしての役割が今後、期待できる。
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