研究課題/領域番号 |
19659530
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
中城 公一 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90314880)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 口腔癌 / 低発現遺伝子 / 癌関連遺伝子 / HGF / マイクロアレイ / Akt2 |
研究概要 |
癌の悪性形質を支持している癌遺伝子を同定し、分子標的とすることにより、治癒あるいは癌との共存が期待できる可能性が種々の悪性腫瘍において示されている。本研究では、マイクロアレイでは検出できない低発現遺伝子群の中より口腔癌治療に有用な標的分子を同定することを目的とした。最初に、マイクロアレイ解析にて発現が検出できなかった遺伝子が本当に未発現なのか、わずかに発現しているのかどうかについて検討した。正常口腔粘膜組織3検体および口腔癌組織10検体を用いてマイグロアレイ解析を行ったところ、正常および癌組織いずれにもその発現が検出できなかった遺伝子は4,209種類であった。その中で、ヒト正常角化上皮細胞株には発現が検出されず、ヒトロ腔癌細胞株においてのみ発現が検出された遺伝子は782種類で、うち癌関連遺伝子は肝細胞増殖因子(HGF)などを含む15種類であった。口腔癌組織におけるこれら遺伝子の発現はマイクロアレイでは検出できないが、リアルタイム定量化RT-PCR法では検出可能であった。これらの遺伝子は発現量が低いにもかかわらず、癌の悪性形質を支持する重要な機能を有している可能性がある。実際に、HGFおよびその関連シグナル分子の機能を阻害すると培養ヒトロ腔扁平上皮癌および唾液腺癌細胞株の浸潤増殖を著明に抑制した。以上の結果より、低発現遺伝子プロファイリングの重要性と低発現癌関連遺伝子を分子標的とした治療の有用性が示唆された。
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