研究課題
若手研究(A)
再生医学研究の発展により、歯関連組織(歯胚、歯髄等)由来細胞から、象牙質、骨、脂肪組織、神経組織への分化誘導が可能となってきた。このように単一組織への分化誘導法はある程度確立されてきたが、その一方でエナメル質を形成するエナメル芽細胞への分化誘導法や、その前駆細胞の調整法、さらには臼歯のように咬頭を有する機能的な歯を再生するには至っていない。その主な原因として、歯の形態形成に関わる分子メカニズムがいまだ明らかとなっていないことが挙げられる。我々は、歯の形態形成に関わる分子として、細胞間結合に関わるGja1分子と、外胚葉異形成症の原因遺伝子の下流分子であるNF-kBシグナルについて着目した。これら関連分子の欠損マウスの解析から、組織特異的な細胞基質の発現制御に、MAPキナーゼ等のシグナル分子が、種々の制御を受けながら機能していることが明らかとなった。また、歯の形態形成メカニズムを理解する為に、同様の発生過程を示す唾液腺の器官培養系を用いた解析を行なった結果、神経堤由来細胞で発現しているPDGF受容体を介したFGFの発現制御が、上皮と間葉組織の相互作用と分岐形成に必須であることを見いだした。未発表ではあるが、唾液腺で認められたPDGF-FGF相互作用は、歯の発生過程においても同様の分子制御で行なわれていることを発見した。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (1件)
The Journal of Biological Chemistry 283(34)
ページ: 23139-23149
The Journal of Biological Chemistry 283(6)
ページ: 3385-3391
The Journal of Biological Chemistry 283(8)
ページ: 4825-4833
The Journal of Biological Chemistry 282(42)
ページ: 30878-30888