研究概要 |
本研究は,視覚に障害がある人との言葉による美術鑑賞に着想を得て美術鑑賞コミュニケーション支援システムの開発を行った.障害のある人や高齢者をリードユーザとしてデザインプロセスに巻き込むインクルーシブデザインにより,見えている/見えていないに関わらず,両者にとって未経験の新たなコミュニケーション空間の実施例として3次元音響空間を採用した.鑑賞絵画空間を立体コピーによって可触化した後,その上を探索する手先軌道を画像処理によって追跡することで,視覚障害者と晴眼者の認知モデルの相違点に基づいたインクルーシブデザイン手法を確立した.さらに3次元音響バーチャルリアリティによる高臨場感音場の生成において,高臨場感とは単に音質などの音響特性がある水準を達成することのみならず,「探索」という能動的な関わりが要求されることが分かった.
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