研究概要 |
本研究では近年注目を集めている2種類のアンサンブル学習,ブースティングとECOCに基づく多値判別に関する研究を行った. (1)ブースティングに関しては統計的考察に基づく最もロバストなロス関数の考案とミスラベルを考慮した多値判別アルゴリズムを提案し,アルゴリズムの収束性などに関する考察を行った.パターン識別問題においては例題に外れ値などが含まれることが多く,このような状況に対してロバストなアルゴリズムは有効に働く. (2)ECOCに基づく多値判別問題に関しては,確率モデルを用いて複数の2値判別器を組み合わせて多値判別器(デコーダー)を構成するための枠組みを提案した.提案した枠組みにおいては各2値判別器同士の相関関係を考慮してデコーダーを構成する事ができる.また提案手法では確率モデルをベースとして推定を行っており,対象とするデータに対して適応的にデコーダーを構成することができる.確率モデルをベースとしたことで,従来の手法に用いられている様々な拡張や正則化を容易に適用出来ることが提案手法の利点であり,提案手法は従来の最新の多値判別手法を優越する性能を示す事がわかった.
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