研究課題/領域番号 |
19700369
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小林 直樹 熊本大, 研究員 (40433023)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,740千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 540千円)
2009年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2008年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ヒト免疫構築マウス / T細胞 / 分化 / 感染症 / モデルマウス |
研究概要 |
小動物におけるヒト免疫系の構築およびヒト感染症のモデル動物の樹立を目指し、ヒト免疫構築マウスの作製を試みたところ、NOD/SCID/Jak3ノックアウトマウス新生仔の肝臓にヒトCD34陽性臍帯血幹細胞を移植することで、移植マウスの末梢血中にヒトB細胞と考えられたCD19陽性細胞およびヒトT細胞と考えられたCD3陽性細胞等の発生が認められた。そこで、ヒト免疫構築マウスにおけるヒトT細胞の分化・成熟について詳細な解析を行ったところ、CD8 T細胞およびCD4 T細胞の両者において、CD45RA+CCR7+CD27+CD28+のナイーブ表現型を示したT細胞が多く認められたマウス(Tn群)と、CD45RA-CCR7-CD27+CD28+のエフェクターメモリー表現型を示したT細胞は多く含まれていたが、ナイーブT細胞はほとんど認められなかったマウス(Tem群)の2群が確認された。しかしながら、いずれのマウスにおいても、エフェクター表現型を示した細胞は認められなかった。また、Tn群ではIL-2産生細胞が多かった一方、Tem群ではIFN-γやTNF-αを産生する細胞が多く、それぞれの群におけるT細胞の表現型を反映したサイトカイン産生能が確認された。CD8 T細胞の機能として重要な細胞傷害性因子の発現についても解析したところ、granzyme Aおよびgranzyme Bの発現は認められた一方、いずれのヒト免疫構築マウスにおいてもperforinの発現は全く認められなかった。したがって、ヒト臍帯血由来幹細胞の移入によって作製されたヒト免疫構築マウスでは、ヒトにおけるT細胞の発生・分化とは異なる結果、偏ったT細胞分布が生じていると考えられ、マウスにおいてヒト免疫系を構築するためには、サイトカインやケモカインが免疫細胞の分化・成熟に及ぼす影響等について詳細な解析が必要であると思われる。
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