研究概要 |
商品化されているCAD(computer-aided detection)システムは,コンピュータの出力結果のみを提示する.しかし,その出力結果に至るための論理が読影者に理解されれば,CADシステムへの十分な信頼が得られ,さらなる診断の向上が期待できる.そこで本研究では,マンモグラムにおける微小石灰化と腫瘤陰影のカテゴリー判定システムを開発し,その結果の提示方法が診断精度に与える影響を検討することを目的とする.微小石灰化の判定システムは,検出された微小石灰化の分布の状態を4つに,形状を4つに分類し,その組み合わせでカテゴリーを判定する.腫瘤陰影の判定システムは,辺縁の形状解析の結果などを用いてカテゴリーを判定する.これらのシステムの出力結果の有効な提示方法を検討するために,画像のみ,画像とカテゴリー,画像とカテゴリーと判定理由,の3種類の提示方法で読影実験を行った.その結果,カテゴリーのみの提示でも,正解との一致率が向上し,また,カテゴリーのみでなく判定理由を提示した場合では,読影者間の一致率の変動が減少することが確認できた.
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