研究課題
若手研究(B)
本研究では、リハビリテーションの視点から、リハビリテーション介入が脳血管障害後の脳の可塑性を促せるのか、脳血管障害後のMKの機能および神経脱落に対する神経栄養因子MKの働きについて検討するとともに、他の神経栄養因子との相互関係を検証し、神経栄養因子が神経細胞死や神経修復にどのように働いているのか検討することを目的とする。経時的に脳梗塞モデルを作成し、術1日後よりトレッドミル運動介入を行い、トレッドミル介入群と非介入群における脳梗塞体積測定後、パラフィン切片作成し、HE染色・免疫組織化学染色にて観察した。その結果、脳梗塞作製後、運動療法介入により28日後のみでトレッドミル介入群が非介入群よりも有意に脳梗塞体積が減少した。また、免疫組織化学染色結果より、家兎MK免疫組織化学染色にて、トレッドミル介入群が非介入群に比べて3日後で有意に発現面積が増加していた。MKは、神経再生・アポトーシスによる細胞死を防ぐ作用・血管新生作用などが提唱されており、それらの作用との関係を立証するために、抗PECAM-1抗体、抗caspase-3抗体の免疫染色を行った。また、他の神経栄養因子との関係を調べるために抗NGF染色を行った。NGF発現量は、運動群の発現量が全体的に多く、4週間後で有意に増加がみとめられた。PECAM-1発現量は、1・2週後で有意に運動群の発現量が多く、また、caspase-3発現量は、2週間後に運動群で有意に発現の減少がみられた。これらの結果より、脳梗塞発症後、早期より運動を開始することで神経成長因子や新生血管の発現量が促進され、神経脱落を抑制している可能性や、運動開始比較的早期の時期に新生血管が増し、その結果、神経成長因子などが梗塞巣周辺部へ供給され、その結果、神経細胞死を抑制していることが示唆された。
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Internal Medicine 47
ページ: 83-89
130000079613