研究概要 |
中高齢女性を対象として,3ヶ月間の能動的音楽療法の介入を隔週で1回(1回60分程度)の頻度で行い(音楽療法群),その前後に動脈硬化指数を含む種々の生理的指標の測定を行った。また,同年代の女性で,音楽療法を実施しない群を(コントロール群)を設け,同様の測定を行った。その結果,音楽療法群では,動脈硬化指数(脈波伝播速度;baPWV)および上腕血圧の明らかな低下が認められた。しかし,血漿エンドセリン-1濃度(血管内皮機能の指標),血漿ノルエピネフリン濃度(交感神経系の指標),唾液中アミラーゼ活性(ストレスの生理的指標)は,上述の動脈硬化指数や血圧の変化とリンクしなかった。コントロール群には,これらの変化は認められなかった。以上の結果は,比較的短期間の能動的音楽療法の実践は,中高齢女性の動脈硬化指数に好影響を及ぼす可能性が示唆された。
|