研究概要 |
有明海における物質輸送を担う物理過程である,残差流の時空間変動について調べた。特に,現在のところ実態が殆ど明らかになっていない,季節変動よりも短い時間スケールの現象に着目し,集中的な現地観測ならびに数値実験を行った。その結果,大潮・小潮周期の鉛直混合強度の変動に伴い,小潮時には鉛直循環が強化され,大潮時には水平循環が強化されることが示された。この傾向は,夏季と冬季のいずれの季節にも見出された。鉛直粘性係数,水平密度勾配は大きな空間変化を示すが,これによって,流動場は湾の横断方向に非対称性を示すことが明らかとなった。
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