研究概要 |
本研究の一連の成果により,時系列の多時期衛星画像データを用いたフェノロジー解析により,泥炭層厚の推定および異常地下水位低下地の広域予知の可能性を示唆してきた。前者に関しては泥炭層の水文緩衝機能に着目し,水文季節性と泥炭層厚および地上森林フェノロジーとの関係性を明らかにした。後者に関しては,エルニーニョのような異常乾燥時の乾季における地下水位の大幅な低下が植生指数(NDVI)を大きく低下させることを明らかにした。予測泥炭層厚分布結果から中央カリマンタン泥炭湿地林における炭素蓄積量は約1Gt/Mhaであることが算出された。また乾季における植生指数低下量が標準偏差の3 倍であれば,標準偏差の2倍の地下水位低下が予期できることを明らかにした。今後の展開として,パラモーター搭載の携帯型分光放射計による湿地林表層の反射率から植生指数を算出し,更なる泥炭層内情報の表面情報からの取得に関する研究を推進する。
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