研究課題/領域番号 |
19710103
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
高橋 周一 日本原子力研, 研究員 (80343622)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 300千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ナノ相分離型電解質膜 / スーパーエンプラ / イオンビーム照射 / 放射線グラフト重合 / イオン穿孔膜 / プロトン伝導度 |
研究概要 |
スーパーエンジニアリングプラスチック(以下エンプラ)と呼ばれる市販高分子フィルムにイオンビームを照射後、エッチング加工することで直径数十〜数百ナノメートルの微細孔(イオン穿孔)を形成させ、その細孔内に耐熱性と保水性を併せ持つ架橋樹脂ブロックを充填。次いで、放射線グラフト重合による電解質の化学的付与を組み合わせ、高温低加湿状態で高イオン伝導性と高耐久性を併せ持つ"ナノ相分離型電解質膜"を創出することを目的とした。平成19年(初年)度はエンプラにおける(1)イオン穿孔膜の形成とその孔径制御、(2)架橋樹脂の充填と放射線グラフト重合を利用した電解質の付与を試みた。 (1)イオン穿孔膜の調整(穿孔径及び空孔率の制御) イオン照射による穿孔径制御可能な耐久性に優れたエンプラをポリエチレンナフタレート(PEN)及びポリイミド・カプトン(PI)に定め、イオン穿孔におけるナノサイズでの孔径制御手法を明確にした。PENは60℃の1molの水酸化ナトリウム水溶液、PIは塩酸を混合しPH=9にコントロールした60℃の次亜塩素酸ナトリウム溶液でエッチングすることでいづれも10nm〜1000nmの範囲でナノ孔径制御を可能とした。 (2)架橋ポリマー充填ナノ相分離型電解質膜の作成 穿孔内充填材料としてエポキシ樹脂を検討したがナノサイズに制御された孔径に対し高粘度溶液のエポキシ樹脂を充填することは困難であった。そのため、溶液粘度の低いジビニルベンゼン(DVB)を充填材料として使用した。DVBを架橋充填後、スチレンスルホン酸エチルモノマーを放射線グラフト重合し、次いで加水分解処理することで架橋ポリマー充填型電解質膜とした。新たに開発したエンプラを基材とする架橋ポリマー充填型電解質膜は最大で0.04 S/cmのプロトン伝導度を発現した。
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