研究概要 |
本研究では,これまではあまり研究対象とされなかった領域である,微妙な加減を要する作業や,作業員同士の阿吽の呼吸が必要な作業等のような,実際に過誤やトラブルは発生しているものの,その発生要因が,心理学的および工学的に解明されていない作業に着目し,その人的特性を把握し,それに基づいた作業指針の構築を行った.微妙な加減と作業者同士の阿吽の呼吸との双方が必要とされる作業とは,具体的には,微妙な加減を要する作業を作業者自身が行っている際に,協働作業者が例えば「もっと強く」等といった程度副詞を用いて指示を出し,作業者はその指示に従って作業状態(すなわち加減)を変えることで,作業目標に近付けていこうとするような作業のことである.したがって本研究では,程度副詞を用いた協働作業の人的特性,すなわち微妙な加減を要する作業における人的特性を把握した上で,そのような人的特性に程度副詞がどのように影響するかを明らかにし,さらにその影響に個人差が存在すればその個人差についても検討し,程度副詞の捉え方に関わる人的特性を明らかにした.
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