研究課題/領域番号 |
19720059
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
ヴリトス ポール 東北大, 文学研究科, 講師 (70400207)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,690千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 390千円)
2008年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ポストコロニアリズム / 旅行文学 / 文学批評理論 / 帝国主義 / グローバリゼーション / 人種(race) / 政治的正義 / イデオロギー |
研究概要 |
本研究は1945年以降現代にいたる多様な旅行文学作家を取り扱うものであり、研究対象作家にはV.S.ナイポール、ポール・セロー、ジョーン・ディディオン、ブルース・チャトウィン、サルマン・ラシュディーやアミタヴ・ゴーシュなどが含まれる。こうした作家群の、様々な異なる文脈における活動を分析することによって、本研究は「ポストコロニアル旅行文学」というジャンルを措定することがそもそも可能なのか、という問いを提示する。本研究は、この問題について、研究代表者のこれまでの研究を基盤として、とくに「食」というテーマに焦点をあてて検討を行った。上記の作家たちの多くは伝統的なイギリス文学の範囲を逸脱した文化的背景を持っているのであるが、それは「食」のさまざまな位相を通して具体的に現れている。本研究により、「旅行」に付随して異なる「食」の経験が描き出されていることが「ポストコロニアル旅行文学」の顕著な特性であることが示され、そこにおける「旅行」とは植民地・被植民地の文化を縦断あるいは横断する「文化的移動」であることが明らかとなってきた。当該年度においては、本研究者は主に様々な資料を収集し、2本の論文を発表するとともに、また歴史家や旅行文学作家たちへのインタビューを行った。論文のうち一本は福士航氏によって日本語に翻訳され、『ポストコロニアル批評の諸相』(岩田美喜・竹内拓史編、東北大学出版会、2008)に日本語論文として収録されている。もう一本の論文"Conrad's Ideas of Gastronomy: Dining in 'Falk'"は『試論』の編集者たちによる審査を経て、最新号に掲載されることが確定している。また、英語で行われた旅行文学作家らへのインタビューを公開したWebサイトのURLは、「13.備考」の欄で確認することができる。また、本研究に関する単著を刊行するために、本研究者は現在原稿を執筆中である。
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