研究課題/領域番号 |
19730237
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
韓 載香 首都大学東京, 都市教養学・経営学系学, 助教 (60396827)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,330千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 330千円)
2008年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | マイノリティ / 民族 / 在日韓国朝鮮人 / 情報 / ネットワーク / 企業家 / 信用組合 / コミュニティ / 企業成長 |
研究概要 |
本研究は、日本における最大の民族マイノリティ集団である在日韓国朝鮮人が所有、経営する企業(在日企業)と、在日企業が集中する産業の歴史的特徴や発展のメカニズムを明らかにするものである。このような問題関心から、第一に、パチンコ産業の成長のなかで在日企業がどのように参入し、成長してきたのかについて具体的に分析し、在日韓国朝鮮人の代表的な産業が形成されていくプロセスを明らかにした。第二に、在日韓国朝鮮人の金融問題への対応について、民族系金融機関の信用組合のあり方に注目し、全国展開していく過程とその基盤を明らかにした。第三に、在日企業はどのような金融機関と取引をし、設立された民族系金融機関が在日企業の資金需要に対してどのように対応したのかについて、企業の参入段階における役割の重要さと成長段階における限界を指摘した。この結果を、在日企業の成長を可能にしたコミュニティ機能(情報、金融)に注目してまとめると、次のようになる。在日企業成長の特徴は、製造業やサービス業など幾つかの産業に著しく集中したこと、歴史的にその集中が強化されたこと、産業構造の変化のスピードが速かったことであった。民族コミュニティに幾つかの産業に関する情報が蓄積され、一般金融機関での取引が困難な在日企業が民族系金融機関にバックアップされたことによって、在日企業は、産業参入に伴う諸困難を小さくすることができ、特定の産業への参入を果した。他方で、コミュニティの機能が企業の参入の時点では重要でありながら、成長段階では小さくなった。この点を踏まえ、本研究では、このような参入段階にみられる在日企業とコミュニティとの強い関係こそ、産業構造のスピーディな変化のダイナミズムを説明するという見解を示した。
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