研究概要 |
本研究の目的は,台湾総督府が主催し臨時産業調査会(1930年),熱帯産業調査会(1935年),臨時台湾経済審議会(1941年)の実態から,植民地官僚の経済政策(構想・認識)を析出・検証することである。その結果,(1)台湾総督府の経済政策が本国のそれとは異なる形で表出されたこと。(2)これらの会議で示された原案は,本国政府や内地企業家の理解が得られず,中央官庁との軋轢を生み出したこと。(3)台湾総督府官僚は,植民地運営において「南方」との関係に強いこだわりを見せ,「本国-植民地」関係とは異質な存立基盤(=「台湾利害」)を求めていたことが明らかになった。
|