研究概要 |
「社会の質」アプローチは明確な「善き社会」像を提示し,その実現を目指す規範性の強い社会計画論であり,本研究では「社会の質」の可能性と課題を理論的に検討した.その結果,社会経済的保障が社会的包摂や凝集性に与える影響を考慮すれば、現代の社会状況では社会経済的保障は必ずしも就労(=有償労働)への従事を受給要件とせず、多様な活動への従事を認めうるものであることが要請される。この点で「社会の質」が支持する社会経済的保障のあり方,さらにはその前提とされている「善き社会」像についても再考の余地がある.
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