研究概要 |
本申請研究は,愛着関係として捉えられる青年期の恋愛関係と中年期(熟年期)の夫婦関係の共通項について,青年・成人期の愛着スタイル,関係における感情経験および関係への評価という観点から検討することを目的として行われた。調査対象者は,103組の恋愛関係にあるカップルならびに156組の中年期の夫婦であった。その結果,双方の関係において,愛着次元の"関係不安"は,回答者本人と相手のネガティブ感情と正の相関関係を示し,同様に,両者の関係への評価と負の相関関係を示していた。しかし,"親密性回避"の次元は,双方の関係において,回答者本人のネガティブ感情と関連を示したのみであった。さらに,上記の"関係不安"と本人ならびに相手の関係への評価との関連は,双方の関係において,各々のネガティブ感情経験によって媒介されていた。それらの結果は,青年期の恋愛関係ならびに中年期の夫婦関係,双方における青年・成人期の愛着スタイルの自己成就予言傾向を示すものであると言える。
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