研究課題/領域番号 |
19730459
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験心理学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
光松 秀倫 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (40377776)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
1,250千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 150千円)
2008年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 感覚 / 知覚 / 行為 / 実験系心理学 / 目的指向型行為 / 視覚運動 / 共通の符号化 / フォワードモデル |
研究概要 |
人間の行為は、環境の変化の知覚に影響することが知られている(行為と知覚の相互作用)。この相互作用の心理学的処理の説明として、共通の符号化、フォワードモデルなどの仮説が提唱されている。本研究では、行為が運動物体の知覚に影響する現象を取り上げ、どちらの仮説が現象を最もよく説明できるかを検証した。実験の結果、相互作用を生起させる要因として、行為の運動方向が物体の運動方向と一致していることと、行為が物体を制御していることが、共に重要であることを示す結果が得られた。これは、その生起に、行為の運動情報と目的表象の両情報が必要であることを示唆している。さらに、行為が物体を制御すると、物体の運動が受動的な運動ではなく、自己運動していると知覚されることが分かった。これは、物体が行為の結果というよりは、例えば道具のように、身体と一体化されて表象されていることを示唆している。共通の符号化仮説、フォワードモデルでは、どちらか一方の情報の重要性を主張しているという点で、説明仮説としては不十分である。2つの情報がどのように相互作用を生起させるかを説明する枠組みが必要である。恐らく、どのような刺激と行為が、互いにどのような関係の下に、提示、実行されるかによって、2つの情報の関与の仕方が異なると予測される。今後、さらに実験的証拠が蓄積されることによって、これらの要因と相互作用の生起の関係を説明できる理論が構築されることが期待される。
|