研究課題/領域番号 |
19740176
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松崎 弘幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (80422400)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,870千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 270千円)
2008年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 光物性 / 光誘起相転移 / 強相関電子系 / 時間分解ポンプ・プローブ分光法 / 時間分解ポンプープローブ分光 / 遷移金属酸化物 / 有機半導体 / 時間分解フェムト秒ポンプープローブ分光 |
研究概要 |
光照射によって、物質の電子構造や巨視的物性が変化する現象は、光誘起相転移と呼ばれ、強相関電子系を中心に活発な研究が行われている。本研究では、強相関電子系における光誘起相転移の本質を理解するために、30フェムト秒クラスの高い時間分解能を有するポンプ-プローブ分光測定系を構築し、光誘起相転移の初期ダイナミクスを明らかにすることに目的とする。上記の測定システムを、典型的な強相関電子系物質であるペロフスカイト型マンガン酸化物に適用し、光誘起電荷・軌道秩序相融解の初期過程を詳細に調べた。その結果、電子相関の効果によって、時間分解能(30 fs)以内に、瞬時に秩序相が融解し、これに引き続いて、複数の酸素原子由来のコヒーレント振動が発生することを見出した。特に、軌道秩序の安定化に重要なヤーンテラーモードに由来するコヒーレント振動が、相融解の初期過程で顕著に観測されることを明らかにした。これらは、秩序相の安定化に、隣接サイト間のクーロン反発と軌道秩序が重要な役割を演じていることを示す重要な結果である。
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